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2026.03.23

無宗教葬・自由な葬儀の流れ:形式にとらわれない家族葬の考え方⑫

① はじめに

「形のない葬儀」が、いちばん深く、故人を映し出すことがある。

親から「派手にしなくていい」と言われていた。 お坊さんも、大勢の参列者も、いらないと。

その言葉を受け取ったとき、あなたは何を感じましたか。

ほっとした気持ちの反面、 じゃあ、どうすればいいんだろう という静かな戸惑いが、胸のどこかに残っていないでしょうか。

無宗教葬という言葉は知っている。 でも、実際どんな式になるのか、イメージが湧かない。 親族になんと説明すればいいのか、わからない。 熊本という土地で、それを選んでいいのかどうか、自信が持てない。

そういう気持ちのまま、この記事にたどり着いた方へ。

急がなくていいです。 まだ何も決めなくていいです。

この記事は、あなたに無宗教葬を勧めるために書いたものではありません。 ただ、「知らなかった」という不安を、少しでも「わかった」に変えていただくために、葬儀に関わってきた者として、できる限り丁寧に書きました。

読み終えたとき、「少し、楽になった」と感じていただけたなら、それで十分です。

要点5つ

この記事を読むとわかること

□ 無宗教葬とは何か、どんな式になるのか

□ 当日の流れ・式次第の具体的なイメージ

□ 演出・内容を、どう決めればいいか

□ 親族への伝え方・よくある反対意見への答え方

□ 熊本という土地で、自由な葬儀を選ぶための心構え

静かな問い

ひとつだけ、聞かせてください。

あなたにとって、「ちゃんとした葬儀」とは

どんな式のことですか。

その答えが、この記事を読み終えたあとで

少し変わっていたとしたら——

きっと、何かが見えてくると思います。

② このような方へおすすめ

こんな方に読んでいただきたい記事です

以下にひとつでも当てはまる方へ、この記事を届けたいと思っています。

□  親から「お坊さんはいらない」「静かに送ってほしい」

   と言われたことがある

□  無宗教葬という言葉は聞いたことがあるが、

   具体的にどんな式になるのかイメージできない

□  「宗教の形式を省いたら、失礼にならないか」と

   心のどこかで気になっている

□  親族や近所の目が気になって、

   自分たちがやりたい形を言い出せずにいる

□  費用を抑えたいが、「手抜き」に見せたくない

□  故人が喜んでくれる式にしたいが、

   何をどう決めればいいかわからない

□  熊本・合志・菊陽で葬儀を考えており、

   地域の慣習とのバランスが気になっている

ひとつも当てはまらなくても、「気になる」と思って開いたなら、

きっと何か持ち帰れるものがあります。

③ 目次

【目次】

はじめに

■ 第1章 無宗教葬を”知る”

 1-1 無宗教葬とは何か

    宗教の形式に縛られない葬儀の基本を知ろう

 1-2 無宗教葬の費用と戒名

    一般葬と比べて何が変わるかを整理する

■ 第2章 無宗教葬を”設計する”

 2-1 無宗教葬・当日の流れ

    式次第と時間の目安を完全解説

 2-2 無宗教葬の演出と内容

    故人らしい式をゼロから作る選び方

■ 第3章 無宗教葬を”決断する”

 3-1 無宗教葬と親族対応

    反対・不安を乗り越えるための伝え方

 3-2 無宗教葬と熊本の地域文化

    この地で自由な葬儀を選ぶ心構え

■ まとめ

 無宗教葬は”省略”ではない

 故人への誠実な向き合い方

第1章「無宗教葬を”知る”」

1-1 無宗教葬とは何か:宗教の形式に縛られない葬儀の基本を知ろう

「無宗教葬」という言葉を、はじめて聞いたとき、どんな印象を持ちましたか。

何もない式。殺風景な葬儀。宗教を否定しているみたいで、なんとなく怖い。

そう感じた方がいても、まったくおかしくありません。日本では長い間、葬儀といえば仏式が当たり前でした。お坊さんが読経し、焼香をして、戒名をいただく——その流れが「ちゃんとした葬儀」として、私たちの中に深く刷り込まれています。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。

「ちゃんとした葬儀」とは、本当に、形式のことでしょうか。

1-2 無宗教葬の定義:お坊さんなしでも葬儀は成立する

無宗教葬とは、特定の宗教の形式にとらわれず、自由に構成された葬儀のことです。

仏式のようにお坊さんが読経する場面も、神式のように神主が祝詞を読む場面も、キリスト教式のように賛美歌を歌う場面もありません。その代わりに——。

・故人が好きだった音楽を流す

・家族が書いたお別れの言葉を読む

・ゆっくりと献花をして、最後の時間を過ごす

これが、無宗教葬の式の基本的な姿です。

「何もない式」ではなく「決まった型がない式」、と理解していただくと、少しイメージが変わるかもしれません。

ひとつ、大切なことをお伝えします。無宗教葬は、法律的にまったく問題ありません。 日本の法律は、葬儀の形式を定めていません。宗教的な儀式を行わなくても、故人を火葬して弔うことは、どなたでも、どこでもできます。「選んでいいのかどうか」という不安は、どうか手放してください。

1-2 無宗教葬の種類:音楽葬・お別れ会・自由葬の違い

無宗教葬といっても、いくつかの呼び方や形があります。混乱しないよう、代表的なものを整理しておきます。

音楽葬

故人が愛した音楽を中心に構成する式。

生演奏を取り入れる場合も、

CDやプレイリストを流す形も選べます。

音楽が場の空気をつくり、

言葉がなくても気持ちが伝わる式になります。

お別れ会(偲ぶ会)

葬儀から少し時間をおいて、

故人を偲ぶために開く集まり。

親しい人だけで、カフェや自宅で行うこともあります。

葬儀とは別に、もう一度ちゃんとお別れしたい方に。

自由葬(フリースタイル葬)

演出・内容・進行をゼロから自分たちで設計する式。

最も自由度が高い分、葬儀社との打ち合わせが重要です。

どれが正しいということはありません。故人の人柄と、家族の気持ちに合うものを選ぶ、それだけが基準です。

1-3 無宗教葬を選んでいい理由:法律・慣習・宗教上の問題はない

「選んでいいとわかっていても、なんとなく後ろめたい」という気持ち、あるのではないでしょうか。

少しだけ、その後ろめたさを解きほぐさせてください。

① 法律上の問題はない 先ほどお伝えした通りです。葬儀の形式に、法律の定めはありません。

② 宗教上の問題も、多くの場合はない 故人が特定の宗教を信仰していた場合、その宗教の作法に従うことが故人の意志を尊重することになります。でも、特定の宗教を持っていなかった方——あるいは「形式にこだわらなくていい」とご本人が伝えていた方——の場合、無宗教葬はむしろ故人の意志に沿った選択です。

③ 菩提寺がある場合は、事前に確認を ただし、ご家族に菩提寺(先祖代々のお墓を管理しているお寺)がある場合は、注意が必要です。無宗教葬で行った後、そのお寺のお墓に納骨したいという場合、お寺によっては受け入れてもらえないこともあります。事前に葬儀社か菩提寺に相談しておくことで、後々のトラブルを防げます。

【ここだけ覚えておいてください】

・法律的に、問題はない

・故人の意志を尊重することが、最も大切な基準

・菩提寺がある場合は、事前に一言確認する

1のまとめ

第1節 読んだことの整理

✔ 無宗教葬とは、特定の宗教の形式によらない、

  自由に構成された葬儀のこと

✔ 「何もない式」ではなく、「自分たちで作る式」

✔ 音楽葬・お別れ会・自由葬など、

  いくつかの形がある

✔ 法律上の問題はなく、故人の意志を尊重することが

  選ぶ理由になる

✔ 菩提寺がある場合は、事前確認が必要

2 無宗教葬の費用と戒名:一般葬と比べて何が変わるかを整理する

「費用を抑えたいけれど、それが透けて見えたら恥ずかしい」

葬儀の費用について考えるとき、こういう気持ちになる方は多いです。「節約したいわけじゃない、ただ、必要なことに、必要なだけ使いたい」とおっしゃることがよくあります。

その気持ちは、とても真っ当です。

無宗教葬を選ぶことで、費用はどう変わるのか。正直に、整理してお伝えします。

2-1 無宗教葬の費用相場:戒名・読経料がない場合の目安

仏式の葬儀では、主に以下のような費用がかかります。

【仏式葬儀の主な費用構成】

葬儀社への費用(祭壇・式場・搬送・火葬など)

 +

寺院へのお布施

 └ 読経料・戒名料・御膳料・御車代 など

このうち、寺院へのお布施が、無宗教葬ではかからなくなります。

お布施の金額は地域や寺院によって大きく異なりますが、熊本では一般的に15万〜50万円前後かかるケースが多いとされています。これがなくなることは、家族にとって大きな違いです。

ただし、注意してほしいのは——葬儀社への費用は、仏式とほぼ変わらない、あるいは演出にこだわる場合は上がることもある、という点です。

【無宗教葬の費用イメージ(家族葬の場合)】

基本的な葬儀費用:15万〜80万円前後

(祭壇・式場・搬送・火葬・スタッフ人件費など)

演出費用(音楽・映像・生花など):5万〜20万円前後

寺院へのお布施:0円

────────────────────────

合計目安:45万〜100万円前後

※地域・葬儀社・内容によって大きく変わります。

 あくまで参考値としてご覧ください。

「安くなる」ことを目的に選ぶのではなく、「必要なことに、必要なだけ」を実現しやすい形である、と理解していただくのが正確だと思います。

2-2 無宗教葬で変わること・変わらないこと:費用の内訳を確認

費用のことを考えるとき、「何が変わって、何が変わらないのか」を整理しておくと、不安が減ります。

【変わること】

・お布施(読経料・戒名料)がかからない

・戒名がないため、位牌・墓石への文字入れが変わる

・式の進行が「お坊さん中心」ではなくなる

・焼香の代わりに、献花などの形式を選べる

【変わらないこと】

・葬儀社への基本的な費用(搬送・安置・火葬など)

・式場の使用料

・棺・骨壷などの費用

・参列者へのお礼(返礼品・料理)

・死亡届・火葬許可証などの行政手続き

ひとつ、よく聞かれることにお答えします。

「戒名がないと、成仏できないのでは」と心配される方へ。

戒名とは、仏弟子としての名前です。仏教の考え方では意味のあるものですが、無宗教の場合、その概念自体が異なります。宗教的な意味合いよりも、「故人をどう呼び、どう記憶するか」を家族で考える機会として捉えていただくと、また別の見え方があるかもしれません。

2-2のまとめ

読んだことの整理

✔ 無宗教葬ではお布施(読経料・戒名料)がかからない

✔ 葬儀社への基本費用は仏式とほぼ変わらない

✔ 家族葬の場合、総額45万〜100万円前後が目安

 (あくまで参考値)

✔ 「安くするための選択」ではなく

 「必要なことに集中できる選択」

✔ 戒名がないことへの不安は、葬儀社に相談できる

第1章 全体の要約

第1章で伝えたかったこと

「無宗教葬」とは、形式がない葬儀ではなく、

自分たちで形式を作る葬儀です。

法律的にも宗教的にも、選ぶことへの問題はなく、

費用面でも、必要なことに集中しやすい構成になっています。

まだ「選ぼう」と決めなくていいです。

ただ、「知った」という状態になっていただけたなら——

次の章で、もう少し具体的なイメージを

一緒に作っていきましょう。

第2章「無宗教葬を”設計する”」

2-1 無宗教葬の当日の流れ:式次第と時間の目安を完全解説

「当日、どうなるのかがわからない」

これが、無宗教葬を前にしたとき、多くの方が感じる一番大きな不安です。

仏式であれば、お坊さんが進行を引っ張ってくれます。読経があって、焼香があって、という流れは、参列したことがあれば何となくわかる。でも無宗教葬は、その「見たことがある安心感」がない。

だから怖く感じるのは、当然のことです。

この章では、無宗教葬の当日の流れを、できるだけ具体的にお伝えします。頭の中でリハーサルができるくらいに、イメージしていただけたら。

無宗教葬の開式から閉式まで:標準的な時系列と所要時間

無宗教葬の式は、一般的に60〜90分前後で構成されることが多いです。以下は、標準的な流れの一例です。

【無宗教葬・式次第の一例】

─────────────────────────

開式の言葉(司会より)         約 2分

─────────────────────────

故人の紹介・略歴の朗読          約 5分

(故人がどんな人だったかを言葉にする時間)

─────────────────────────

思い出の映像・写真スライド上映    約 5〜10分

(BGMとともに、故人の生涯を振り返る)

─────────────────────────

弔辞・お別れの言葉            約10〜15分

(家族・友人・同僚などから)

─────────────────────────

献花                      約20〜30分

(参列者が一人ひとり、花を手向ける時間)

─────────────────────────

喪主挨拶                   約 5分

─────────────────────────

閉式の言葉(司会より)         約 2分

─────────────────────────

お別れ・出棺                約10〜15分

─────────────────────────

合計:約60〜90分

この流れは、あくまで一例です。 順番を変えても、項目を増減させても構いません。「弔辞は入れたくない」「映像の時間をもっと長くしたい」——そういった希望を、葬儀社と一緒に調整していくのが、無宗教葬の本来の姿です。

無宗教葬の司会進行:誰が何をするか役割分担の考え方

仏式では、お坊さんが式の中心にいます。無宗教葬では、その役割を司会者が担います。

司会は、葬儀社のスタッフにお願いすることが一般的ですが、故人と親しかった方や家族が務める場合もあります。

【司会者の主な役割】

・開式・閉式の言葉

・各場面への案内(「ただいまより献花を始めます」など)

・時間の調整・場の空気をつくる

・参列者が戸惑わないよう、次の流れをやさしく伝える

司会者が「次は献花です」と一言添えるだけで、参列者は安心して動けます。無宗教葬を初めて経験する参列者への配慮として、司会の言葉は非常に大切です。

また、家族の中で役割を分担しておくことも、当日の安心につながります。

【家族の役割分担の例】

喪主:挨拶・全体の最終判断

長男・長女:受付・参列者対応

その他の家族:弔辞・お別れの言葉

葬儀社スタッフ:司会・搬送・式の進行補助

「全部自分がやらなければ」と思わなくていいです。葬儀社のスタッフは、当日も隣にいます。

無宗教葬の献花・黙祷・弔辞:焼香に代わる場面の作り方

仏式では「焼香」が、故人への最後のご挨拶の場面です。無宗教葬では、その場面を別の形で作ります。代表的な3つをご紹介します。

献花

参列者が一人ひとり、祭壇に花を手向ける。

無宗教葬では最も多く取り入れられる形です。

白い菊だけでなく、故人が好きだった花を

取り入れることもできます。

「花を持って、故人の前に立つ」という行為が、

焼香と同じように、気持ちを届ける時間になります。

黙祷

式の冒頭や閉式の前に、全員で静かに手を合わせる時間。

宗教を問わず、誰にでも自然に参加できる形です。

「1分間、故人のことだけを思う時間」として

伝えると、参列者が戸惑いません。

弔辞・お別れの言葉

家族や友人が、故人への言葉を読む。

無宗教葬では、この時間が式の中心になることが多いです。

「うまく書かなければ」と思わなくていいです。

ありのままの言葉が、いちばん故人に届きます。

【ひとつのアドバイス】

「焼香がない」という説明より、

「代わりに献花をしていただきます」という

案内の仕方が、参列者を安心させます。

“ない”を伝えるより、

“ある”を伝える。

その小さな言葉の選び方が、

式の空気を穏やかにします。

まとめ

第3節 読んだことの整理

✔ 無宗教葬の式は、一般的に60〜90分前後

✔ 開式・略歴紹介・映像・弔辞・献花・挨拶・閉式

  という流れが基本の一例

✔ 司会は葬儀社スタッフに依頼できる

✔ 焼香の代わりに、献花・黙祷・弔辞で

  故人への時間を作る

✔ 「ない」より「ある」を伝えると

  参列者が安心する

2-2 無宗教葬の演出と内容:故人らしい式をゼロから作る選び方

「故人らしい式にしたい」

その言葉を口にしたとき、少し照れくさくなる方もいます。「大げさかな」「そんなこと考えていいのかな」と。

でも、それこそが無宗教葬を選ぶ意味だと、私は思っています。

形式が決まっていないからこそ、その人だけの式ができる。逆に言えば、「その人をどれだけ知っているか」が、そのまま式に出るのが、無宗教葬の特徴です。

難しく考えなくていいです。「あの人らしい」と感じる場面を、ひとつずつ思い浮かべるところから始めましょう。

無宗教葬の音楽・映像・花:演出アイデアと選び方の基準

音楽

無宗教葬において、音楽は式の空気をつくる最も大切な要素のひとつです。

【音楽の選び方】

・故人が生前よく聴いていた曲

・故人が「これを流してほしい」と言っていた曲

・家族が故人を思い浮かべるときに頭に流れる曲

ジャンルは問いません。

演歌でも、クラシックでも、ポップスでも。

「その人らしい」かどうかが、唯一の基準です。

使い方は場面によって変えられます。

開式前(参列者が集まる時間):静かなBGMとして

映像上映中:スライドに合わせた選曲

献花の時間:感情が動く曲を

閉式・出棺:送り出しにふさわしい一曲を

映像・スライド

生前の写真をスライドショーにして流す演出は、多くの無宗教葬で取り入れられています。

【映像・スライドのポイント】

・幼少期から晩年まで、時系列で構成すると

 参列者が「その人の人生」を追いやすい

・家族だけが知っている写真を入れると、

 式に温かみが生まれる

・BGMとの組み合わせで、言葉がなくても

 気持ちが伝わる場面になる

・葬儀社に依頼すれば、制作を手伝ってもらえる場合も

無宗教葬の祭壇は、白い菊だけでなく、故人が好きだった花を取り入れることができます。

「お母さんはガーベラが好きだった」

「庭でいつもバラを育てていた」

「ひまわりみたいな人だった」

そういった記憶が、祭壇の色になります。

花の選び方ひとつで、式の印象はがらりと変わります。「どんな色の式にしたいか」を、葬儀社に伝えてみてください。

無宗教葬の祭壇・遺影・空間:雰囲気づくりのポイント

祭壇は、式の「顔」です。

仏式では白木の祭壇が一般的ですが、無宗教葬では花祭壇や、故人の雰囲気に合わせたデザイン祭壇を選ぶことができます。

【祭壇・空間づくりの選択肢】

花祭壇:生花を使った、温かみのある祭壇

フォト祭壇:遺影と写真を組み合わせた構成

シンプル祭壇:装飾を抑え、静けさを大切にした形

テーマ型:故人の趣味・好きなものをモチーフに

遺影について

遺影は、式の中で最も長く故人の「顔」として場にある写真です。

【遺影選びのポイント】

・「いちばんその人らしい表情」の写真を選ぶ

・正装でなくても構わない

・スマートフォンの写真でも、加工・拡大できる

・家族が「この写真、好き」と思えるものが正解

「ちゃんとした写真じゃないといけない」と思い込んでいる方がいますが、そんなことはありません。旅先で撮った一枚、家族の食卓での笑顔——その人の「いつも」が写っているものが、いちばんその場に合います。

無宗教葬の喪主挨拶・お別れの言葉:例文と伝え方のコツ

無宗教葬では、喪主の挨拶と、家族・参列者からのお別れの言葉が、式の中心になります。

「うまく話さなければ」と思うと、言葉が出てこなくなります。でも、葬儀の場で「うまい話し方」を求めている参列者は、一人もいません。

【喪主挨拶の構成・例】

────────────────────────

本日は、お忙しい中お集まりいただき、

ありがとうございます。

父(母)は、〇月〇日に〇〇歳で静かに旅立ちました。

生前は皆様に大変お世話になり、

家族一同、心より感謝申し上げます。

父(母)は、形式よりも気持ちを大切にする人でした。

今日の式も、そんな父(母)らしく、

私たち家族の言葉でお見送りしたいと思っております。

どうか最後まで、ゆっくりとお付き合いください。

────────────────────────

お別れの言葉(弔辞)のポイント

・手紙を読む形でも構わない

・「〇〇さんへ」と呼びかける形が、気持ちが伝わりやすい

・思い出を一つ、具体的に話すだけで十分

・泣いても、詰まっても、それが弔辞になる

「あの日のこと、覚えていますか」

という一文から始まる弔辞が、

式場を最も静かにすることがあります。

【ひとつのアドバイス】

うまく話そうとしなくていいです。

「ありがとう」と「さようなら」が

ちゃんと届けば、それで十分です。

言葉は短くていい。

気持ちが乗っていれば、それが弔辞です。

まとめ

第4節 読んだことの整理

✔ 音楽・映像・花が、式の空気をつくる

  基準は「その人らしいかどうか」

✔ 祭壇は花祭壇・フォト祭壇など自由に選べる

✔ 遺影は「いちばんその人らしい一枚」でいい

✔ 喪主挨拶・弔辞は、うまく話さなくていい

  気持ちが乗った言葉が、いちばん届く

✔ 「故人をどれだけ知っているか」が

  そのまま式になるのが、無宗教葬

第2章 全体の要約

第2章で伝えたかったこと

無宗教葬は、「何もない式」ではありません。

音楽・映像・花・言葉——

あなたが選んだものすべてが、式の一部になります。

「故人らしい」という言葉を形にする作業は、

難しくもあり、愛おしくもあります。

うまくやろうとしなくていいです。

「あの人ならどうしてほしいか」を考えながら

一つひとつ選んでいくこと——

それ自体が、すでに弔いのはじまりです。

第3章では、周囲への伝え方と、

熊本という土地でこの選択をする意味について

一緒に考えていきます。

第3章「無宗教葬を”決断する”」

3-1 無宗教葬と親族対応:反対・不安を乗り越えるための伝え方

知識は整った。式のイメージもできてきた。

でも、もうひとつ、越えなければならない山がある。

親族への説明です。

「お坊さんを呼ばないなんて」

「うちはずっと仏式でやってきたのに」

「近所になんて言えばいいの」

そういう声が、頭の中に響いている方もいるかもしれません。実際に言われた方もいるでしょう。

まず、お伝えしたいことがあります。

反対する親族も、あなたを困らせたくて言っているわけではありません。その人なりの「ちゃんとしなければ」という気持ちが、そういう言葉になって出てきているだけです。

だから、説き伏せようとしなくていいです。 ただ、伝えればいい。

無宗教葬への反対意見:よくある声とその答え方の例文

よくある反対意見と、その受け止め方・答え方を整理しました。完璧な返し方である必要はありません。「こういう言い方もあるんだ」という引き出しを、ひとつ持っておくだけで気持ちが楽になります。

反対意見①「お坊さんを呼ばないと、成仏できないんじゃないか」

受け止め方:

故人を心配している気持ちから出た言葉です。

否定せず、まず受け取る。

答え方の例:

「そう思う気持ち、よくわかります。

 ただ、お父さん(お母さん)自身が

 “形式にこだわらなくていい”と言っていたので、

 その言葉を大切にしたいと思っています。

 気持ちを込めて送り出すことが、

 いちばんの供養になると、私は信じています」

反対意見②「近所や世間体が気になる」

受け止め方:

熊本という土地では、特に感じやすい不安です。

地域の目を気にすることは、悪いことではない。

ただ、それだけで決めなくていいことも伝える。

答え方の例:

「気になる気持ち、わかります。

 でも、今回は家族だけの小さな式なので、

 外に広く知らせることもありません。

 大切な人を、自分たちの言葉で送り出したい——

 そう思っています」

反対意見③「うちはずっと仏式でやってきた」

受け止め方:

家の歴史・先祖への敬意から来ている言葉。

否定すると関係が壊れる。

「今回だけの判断」として伝えると受け入れられやすい。

答え方の例:

「これまでのやり方を変えたいわけではないんです。

 ただ、お父さん(お母さん)の希望が

 こういう形だったので、

 今回はその希望を叶えてあげたいと思っています。

 お墓のこと、今後のことは、また一緒に考えましょう」

反対意見④「葬儀社に丸投げで、手抜きじゃないか」

受け止め方:

「ちゃんとやってほしい」という期待の裏返し。

むしろ、無宗教葬の方が準備に手がかかることを伝える。

答え方の例:

「実は、無宗教葬の方が決めることが多いんです。

 音楽も、映像も、言葉も、全部自分たちで考えます。

 その分、故人らしい式になると思っています」

【共通して使えるひとこと】

「反対しているわけじゃないと思うんですが、

 一度だけ、私の話を聞いてもらえますか」

この一文が、対話の入口を開けます。

議論ではなく、対話として始めることが大切です。

無宗教葬の案内状・挨拶文:参列者への伝え方と文例

参列者への案内は、事前の一文があるかないかで、当日の空気が大きく変わります。

「今回は無宗教葬という形で行います」と事前に伝えておくだけで、参列者は安心して来られます。

案内状・連絡文の例(シンプル版)

────────────────────────

〇〇 〇〇儀 葬儀のご案内

このたびは〇〇の逝去に際し、

温かいお言葉をいただきありがとうございます。

葬儀は、故人の意向により

宗教形式によらない「家族葬」として

執り行う予定です。

焼香の代わりに献花をしていただく形となりますが、

どうぞ、いつも通りの気持ちでお越しください。

日時:〇月〇日(〇)〇時〜

場所:〇〇〇〇(住所)

〇〇(喪主名)

────────────────────────

当日・受付での一言添え(口頭)

「本日は、宗教形式によらない式で執り行います。

 焼香の代わりに献花をお願いしております。

 係の者がご案内しますので、

 どうぞそのままお進みください」

このひとことで、参列者の「どうすればいいんだろう」という戸惑いがなくなります。

参列者が初めての方への配慮

【式次第カードを用意する】

当日、席に式次第を書いたカードを置いておくと、

参列者が流れを把握できて安心します。

例)

─────────────────

本日の式の流れ

開式

故人の略歴・紹介

思い出の映像上映

お別れの言葉

献花

喪主挨拶

閉式

─────────────────

シンプルな紙一枚で構いません。

「何が起こるかわかる」だけで、

人は落ち着いて式に臨めます。

無宗教葬を選んだ家族の声:後悔しなかった理由とは

実際に無宗教葬を選んだ方たちは、式を終えた後、どんなことを感じたのでしょうか。

「お母さんが好きだった曲を流したとき、

 みんなが同じ顔をしていた。

 “らしいね”って、誰かがぽつりと言って。

 その瞬間、よかったと思いました」

            (50代・女性)

「最初は親族に反対されました。

 でも式が終わった後、義母が

 “こんな葬儀もあるんやね、よかったね”と

 言ってくれて。それだけで十分でした」

            (60代・女性)

「弔辞を読むとき、声が出なくなって。

 それでも最後まで読んだら、

 父に届いた気がしました。

 お坊さんの読経より、

 自分の言葉の方がよかったと、今でも思います」

            (40代・男性)

後悔しなかった理由は、共通しています。

「自分たちで決めた」という実感があったから。

形式に乗っかるのではなく、自分たちで考えて、選んで、作った式だったから——それが、式の後も長く、心の中に残り続けます。

まとめ

第5節 読んだことの整理

✔ 反対意見は「ちゃんとしてほしい」という

  気持ちの裏返し。説き伏せず、伝える

✔ よくある反対意見には、受け止め方と

  答え方のパターンがある

✔ 案内状・受付での一言で、

  参列者の戸惑いは大きく減る

✔ 式次第カードを用意すると、

  参列者が安心して式に臨める

✔ 「自分たちで決めた」という実感が、

  後悔しない式になる理由

3-2 無宗教葬と熊本の地域文化:この地で自由な葬儀を選ぶ心構え

ここまで読んできて、「なるほど」と思う部分があった方も、最後にもう一つ、引っかかりを感じている方がいるかもしれません。

熊本で、本当にこれを選んでいいのか。

その感覚は、正直なものだと思います。

熊本には、「ちゃんとせないかん」という空気があります。近所付き合いを大切にする文化、親戚が集まる慣習、義理と人情を重んじる風土——それは決して悪いものではなく、この土地が長年育ててきた、人と人とのつながり方です。

その中で、「形式にとらわれない葬儀を選ぶ」ことには、確かに勇気がいる。

でも、少しだけ聞いてください。

無宗教葬と熊本の慣習:地域の目を気にしすぎないために

熊本でも、無宗教葬・家族葬を選ぶ方は、年々増えています。

以前は「近所に知らせず葬儀をするなんて」という声もありましたが、今は小規模な家族葬が広く認知され、「家族だけで静かに送った」という形が、むしろ自然に受け入れられるようになってきています。

時代は、確かに変わっています。

でも、変わらないものもあります。

「故人を大切に送り出したい」という気持ちは、

仏式でも無宗教葬でも、同じです。

地域の目を気にすることと、

故人の希望を叶えることが、

ぶつかったとき——

どちらを優先するかは、

あなたが決めていいことです。

ひとつ、心に留めておいてほしいことがあります。

葬儀は、参列者のためではなく、故人と遺族のためにあります。

近所の方や遠い親戚が「よかった」と感じる式より、家族が「ちゃんと送り出せた」と感じる式の方が、長く心に残ります。それは、熊本でも変わりません。

【熊本で無宗教葬を選ぶとき、

 よく聞かれること】

  1. 近所への挨拶は必要ですか?
  2. 家族葬の場合、事後にご報告する形が一般的です。

 「家族だけで静かに見送りました」の一言で

 大抵の方には伝わります。

  1. 菩提寺との関係はどうなりますか?
  2. 無宗教葬を選んでも、お墓参りや

 法要を続けることはできます。

 ただし、菩提寺での納骨については

 事前に確認が必要です。

 葬儀社に相談すれば、一緒に考えてもらえます。

  1. 香典・香典返しはどうすればいいですか?
  2. 無宗教葬でも、香典・香典返しは

 通常通り行うのが一般的です。

 案内状に「ご香典はご辞退します」と

 記載すれば、辞退することも可能です。

無宗教葬を熊本市・合志市・菊陽町で相談できる葬儀社の選び方

無宗教葬を検討するとき、葬儀社選びは特に大切です。すべての葬儀社が無宗教葬に慣れているわけではなく、「自由な形でやりたい」という希望に、どれだけ丁寧に向き合ってくれるかが、式の質を大きく左右します。

【無宗教葬に対応できる葬儀社を見極める 3つのポイント】

① 「無宗教葬の実績があるか」を確認する

  実績のある葬儀社は、式次第の提案・

  演出のアドバイス・当日の進行補助が

  スムーズです。

② 「こちらの希望を聞いてくれるか」を感じ取る

  最初の相談のとき、一方的に説明するのではなく、

  「どんな式にしたいですか」と

  聞いてくれる葬儀社を選ぶ。

  その一言が、その後の打ち合わせを決めます。

③ 「費用の内訳を明確に出してくれるか」を確認する

  不明瞭な見積もりは、後から追加費用が

  発生しやすいサインです。

  「何にいくらかかるか」を、

  わかりやすく説明してくれる葬儀社が安心です。

熊本市・合志市・菊陽町エリアで無宗教葬・自由な家族葬をお考えの方へ。

私たちは、形式よりも「その人らしい式」を

大切にしたいと考えるご家族に、

できる限り寄り添いたいと思っています。

「まだ何も決めていない」

「相談だけでも」

「本当にこれで大丈夫か、確認したい」

どんな状態でも、構いません。

話すことで、少し楽になることがあります。

熊本で、一緒に考えさせてください。

まとめ

第6節 読んだことの整理

✔ 熊本でも、無宗教葬・家族葬を選ぶ方は増えている

✔ 地域の慣習と故人の希望がぶつかったとき、

  どちらを優先するかは、あなたが決めていい

✔ 葬儀は参列者のためではなく、

  故人と遺族のためにある

✔ 無宗教葬に対応できる葬儀社を選ぶ

  3つのポイントがある

✔ 「まだ決めていない」状態での相談で構わない

第3章 全体の要約

第3章で伝えたかったこと

無宗教葬を選ぶとき、最後に残る壁は

「知識」ではなく「勇気」です。

親族への伝え方、地域の目、菩提寺との関係——

ひとつひとつは、答えがあります。

でも、それ以上に大切なのは、

「自分たちがどう送り出したいか」という

気持ちの軸を持つことです。

その軸がはっきりしていれば、

周囲の声は、少しずつ小さくなります。

あなたはもう、十分に考えています。

悩んだ分だけ、その式は誠実さが表れるのではないでしょうか。

まとめと想い|無宗教葬は”省略”ではない:故人への誠実な向き合い方

ここまで、長い記事をお読みいただきました。

最後まで読んでくださったということは、きっとあなたの中に、大切に送り出したい誰かがいるのだと思います。あるいは、自分自身のことを、静かに考えていた方もいるかもしれません。

この記事で伝えてきたことを、最後に一度だけ振り返らせてください。

【この記事でお伝えしてきたこと】

■ 第1章 無宗教葬を”知る”

 無宗教葬とは、形がない式ではなく、

 自分たちで形を作る式です。

 法律的にも問題はなく、

 故人の意志を尊重することが、

 選ぶ理由になります。

■ 第2章 無宗教葬を”設計する”

 音楽・映像・花・言葉——

 「その人らしい」を基準に選んだものが、

 そのまま式になります。

 うまくやろうとしなくていい。

 故人を知っているあなたが、

 いちばんいい設計者です。

■ 第3章 無宗教葬を”決断する”

 親族への伝え方にも、地域の慣習との向き合い方にも、

 答えはあります。

 でも最後は、「自分たちがどう送り出したいか」

 という気持ちの軸が、すべてを決めます。

最後に… 

葬儀の仕事を続けてきた中で、忘れられない式があります。

お母さんを亡くされた、50代の女性のお客様でした。

お母さんは生前、「大げさにしなくていい。好きな音楽でも流してくれたら、それで十分」と、娘さんに話していたそうです。娘さんはその言葉を、ずっと大切に持っていました。

最初にご相談いただいたとき、彼女はこう話されました。

「無宗教葬をやりたいんですけど、それって、ちゃんとした葬儀になりますか」

その言葉が、今も胸に残っています。

「ちゃんとした葬儀」って、何だろう。

私はその日から、ずっとそのことを考えています。

式当日、お母さんが好きだったというピアノの曲が流れる中、娘さんが書いてきた手紙を読みました。声が何度も詰まりました。それでも最後まで読んで、「お母さん、ありがとう」と言って、顔を上げた。

その瞬間の式場の空気を、私はうまく言葉にできません。

ただ、「ちゃんとしていた」と思いました。どんな式より、深く、静かに、「ちゃんとしていた」と。

形式は、気持ちを届けるための「器」です。

器は大切です。でも、器がどれだけ立派でも、中に気持ちが入っていなければ、それは空っぽです。

逆に、器が普通でも、気持ちがあふれていれば——それが、いちばん「ちゃんとした葬儀」になる。

私は、今もそう信じています。

無宗教葬は、省略ではありません。

故人への愛情を、自分たちの言葉で表現することです。

あなたが悩んでいること、迷っていること、まだ決められないでいること——それはすべて、大切に送り出したいという気持ちの表れです。

その気持ちは、必ず式に表れます。

熊本市・合志市・菊陽町で、無宗教葬・自由な家族葬をお考えの方へ。

まだ何も決めていなくて、構いません。 「こんな式にしたい」という言葉が、まだなくても構いません。

ただ、話してみてください。

あなたの大切な方のことを、聞かせてください。 一緒に、考えさせてください。

────────────────────────

ご相談・お問い合わせはこちら

「まず話を聞いてみたい」だけで十分です。

24時間、いつでもご連絡をお待ちしています。

────────────────────────

「さようなら」を

自分の言葉で言えた人は、

長い間、それに支えられて生きていける。

Q&A|聞きづらい質問とやさしい回答

葬儀のことは、なかなか人に聞けません。「こんなこと聞いていいのかな」と思うことほど、実は、多くの方が同じように気になっています。

ここでは、聞きづらいけれど大切な質問を6つ集めました。

Q1.無宗教葬にしたいのですが、親族に反対されています。それでも、自分の意志を通していいのでしょうか。

A1.

通していい、と私は思っています。ただ、少しだけ順番があります。

まず、反対している方の気持ちを、一度だけ丁寧に聞いてみてください。「ちゃんとしてほしい」という言葉の裏には、故人への愛情や、これまでの家の歴史への敬意が隠れていることがほとんどです。それを否定せずに受け取った上で、「故人がこう望んでいた」という事実を、静かに伝える。

説き伏せようとすると、人は身構えます。でも、「聞いてもらえた」と感じると、人は少し柔らかくなります。

それでも最終的には、喪主であるあなたが決めていいことです。葬儀は多数決ではありません。故人の意志と、あなたの気持ちが一致しているなら、それがいちばんの根拠になります。

Q2.お坊さんに戒名をつけてもらわないと、故人があの世で困るのではないかと心配です。

A2.

その心配、持っていていいと思います。大切な人のことを思うから、出てくる気持ちです。

ただ、少し整理してお伝えします。戒名とは、仏教の考え方の中にある概念です。仏弟子としての名前を授かることで、あの世での安寧が約束される——という信仰に基づいています。ですから、仏教を信仰されている方にとっては、大切な意味を持ちます。

一方で、故人が特定の宗教を持たず、「形式にこだわらなくていい」と伝えていた場合、戒名という概念自体が、その方の世界観にそぐわないこともあります。

「戒名がなければ成仏できない」ではなく、「どんな形で故人を思い続けるか」を、家族が自分たちの言葉で考える——それが、無宗教葬における供養の形です。どうか、罪悪感を持ちすぎないでください。

Q3.費用を抑えたくて無宗教葬を考えているのですが、それって不謹慎でしょうか。

A3.

まったく、不謹慎ではありません。

費用のことを考えることは、現実的で、誠実なことです。むしろ、「必要なことに、必要なだけ使いたい」という気持ちは、とても真っ当だと思います。

ただ、ひとつだけお伝えしたいことがあります。無宗教葬は「安くあげるための選択」ではなく、「何に気持ちとお金を使うかを、自分たちで決められる選択」です。お布施がかからない分、その費用を演出や花に充てる方もいますし、全体をシンプルにまとめる方もいます。

「費用を抑えたい」という入口から始まって、最終的に「故人らしい式ができた」と感じた方を、私は何人も見てきました。動機は何であっても、大切に送り出したいという気持ちがあれば、それでいいと思っています。

Q4.菩提寺があるのですが、無宗教葬にしたら、お墓に入れてもらえなくなりますか。

A4.

これは、事前に確認が必要な大切な問題です。正直にお伝えします。

菩提寺のお墓に納骨を希望する場合、そのお寺によっては「仏式で葬儀を行わなかった方の納骨はお断りする」というところもあります。一方で、「葬儀の形式は問わない」というお寺もあります。

ですから、無宗教葬を決める前に、菩提寺に一度ご相談されることを強くおすすめします。「無宗教葬を考えているのですが、納骨はできますか」と、率直に聞いてみてください。

もし菩提寺との関係が難しい場合、民間霊園や合葬墓など、宗旨・宗派を問わない埋葬の選択肢もあります。葬儀社に相談すれば、一緒に考えてもらえます。

「確認もせずに後悔する」より、「聞いて、一緒に考える」方が、必ずいい結果につながります。

Q5.家族の中で意見が割れています。無宗教葬にしたい人と、仏式にしたい人がいて、どうすればいいかわかりません。

A5.

それは、本当につらい状況ですね。大切な人を亡くした直後に、家族の中で意見がぶつかる——その疲弊感は、想像以上のものがあります。

ひとつだけ、視点を変えてみてください。

「どちらの形式にするか」という議論より、「故人が何を望んでいたか」を軸にすると、話し合いの方向が変わることがあります。故人が生前に何か言い残していたなら、それが最も強い根拠になります。

もし故人の意志が明確でない場合は、「今回の葬儀をどんな時間にしたいか」を、一人ひとりが率直に話す場を作ることが大切です。仏式を希望する方も、無宗教葬を望む方も、根っこには「ちゃんと送り出したい」という同じ気持ちがあるはずです。

どうしても決まらない場合は、葬儀社に相談してみてください。第三者として、中立的に話を整理してくれる葬儀社は、家族の橋渡しをする役割も担っています。一人で抱え込まないでください。

Q6.無宗教葬にして、後から「やっぱり仏式にすればよかった」と後悔しないか、不安です。

A6.

その不安を持っていること自体、あなたがそれだけ真剣に考えている証拠です。

正直に言います。どんな形の葬儀を選んでも、「あのときこうすればよかった」という気持ちは、多かれ少なかれ残ることがあります。それは、無宗教葬だからではなく、大切な人を亡くした後に誰もが通る、悲しみの一部です。

ただ、後悔が少ない式には、共通点があります。

「自分たちで考えて、自分たちで決めた」という実感があること。

誰かに流されて決めた式より、迷いながらも自分たちで選んだ式の方が、時間が経つほど「あれでよかった」と思えることが多いです。

不安があるなら、その不安を葬儀社に話してみてください。「後悔したくない」という気持ちを伝えることが、いい式への、最初の一歩になります。

どの質問も、「こんなこと聞いていいのかな」と

思いながら、それでも大切な人のために

考え続けた方たちの言葉から生まれています。

聞きづらいことほど、大切なことです。

どうか、一人で抱えないでください。

⑦ 執筆者・監修者紹介

執筆者

畑尾 一心
ハタオ葬儀社 三代目

熊本市(中央区・南区・東区・北区・西区・熊本駅周辺)を中心に、合志市・菊陽町など熊本都市圏で、葬儀・家族葬の事前相談と実務に携わっています。

はじめて喪主を務める方が「これでよかった」と思えるように。
地域の宗派や慣習をふまえながら、やさしい言葉でわかりやすくお伝えすること、そして実務を正確に整えることを大切にしています。

経歴

  • 1972年生まれ。昭和30年創業の葬儀店に生まれ育つ。

  • 葬祭業に30年以上従事。年間約400件を超えるご葬儀・ご相談に関わる。

  • 厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター。

  • NPO法人全国葬送支援協議会 熊本中央本部代表。

  • 一般社団法人 終活協議会 終活セミナー講師。

  • 終活カウンセラー協会 終活カウンセラー。

専門性を磨き続けながらも、何より大切にしているのは「人と人との関わり」です。

想い

創業者である祖父の志を受け継ぎ、日本の葬送文化が持つ意味を、現代のご家族にわかりやすく届けたいと考えています。
正解を押しつけるのではなく、ご家族それぞれの「納得」を積み重ねること。
心から「ありがとう」と伝えられるお見送りを支えることが、私の仕事です。

趣味

散歩が好きです。
見慣れた道も、知らない街も歩きながら、人の営みや地域の空気に触れる時間を大切にしています。

監修者

畑尾 義興
ハタオ葬儀社 会長

経歴

昭和30年、先代・畑尾義人により熊本で創業されたハタオ葬儀社を継承。
約40年にわたり経営を担い、地域とともに歩んできました。

「誰もが誇りに思えるお葬式を」という創業の志を守り続け、葬儀一筋で地域への感謝を形にしてきました。
自身の家族を見送った経験から、ご家族の心と費用の負担を軽くすることの大切さを深く実感しています。

理念

地域に根ざし、温かく、心の通う葬儀を届けること。
ご遺族の想いを最優先に、感謝を込めたお見送りを支えることが使命です。

趣味

釣りと囲碁。
熊本の自然や仲間との時間を、今も大切にしています。

私たちについて

ハタオ葬儀社は、創業から70年。
熊本の地で、世代を越えてお見送りに携わってきました。

このページの内容は、現場に立ち続けてきた経験と、地域への想いをもとにお届けしています。
不安の中にある方が、少しでも安心できるように。
迷いの中にある方が、自分らしい選択を見つけられるように。

大切な方への想いは、きっとかたちにできます。

・ご家族の声を知りたい方へ
・葬儀の疑問を一つずつ解消したい方へ
・まずは静かに相談してみたい方へ

それぞれの歩幅に合わせて、そっと寄り添います。

【大切な方への想い、どう伝えられたか。お客様の「声」をご覧ください】

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