一般葬コラム
2026.04.27
100名以上の「一般葬」の段取りと配慮|多くの参列者を迎える葬儀の準備と心得 ⑲
① はじめに
「こんなに多くの方が来てくださるとは」と思う日と、「どうやって迎えればいいのか」と途方に暮れる日が、同時にやってくることがあります。
- 一般葬とは、参列者の範囲を特に限定せず、故人と縁のある方々を広く迎える葬儀の形です
- 100名を超える規模では、受付・案内・駐車場など「会場の外側」の段取りが特に重要になります
- 準備は「今日決めること」と「あとで決めること」に分けるだけで、気持ちが整理されてきます
- 喪主の挨拶は、完璧に話す必要はありません。ありのままの言葉が、一番届くことがあります
- 葬儀社・親族・受付担当と役割を分けることで、一人で抱え込まなくて済みます
「たくさんの方が来てくれるはずだから、ちゃんとしなければ」という気持ちは、故人を大切にしたい思いの裏返しです。でも、「ちゃんとする」とは何か、正解がわからないまま、やることだけが増えていく感覚に疲れてしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、100名以上が参列する一般葬の段取り・準備・当日の配慮について、順を追ってお伝えします。「こうしなければいけない」ではなく、「こういうふうに考えると、少し楽になるかもしれない」という視点でお届けします。
忙しい中で読んでいただいていると思います。できるだけシンプルに、必要なことだけを書きました。
あなたは今、何から始めようとしていますか。
② このような方へおすすめ
✅ 一般葬の段取りや準備の手順が分からず、何から始めればいいか困っている方
✅ 受付・案内・駐車場など、当日の運営をどう整えるか知りたい方
✅ 喪主としての挨拶の内容や、人前で話すことへの不安を和らげる情報がほしい方
✅ 一般葬にかかる費用の目安と、家族葬との違いが分からない方
✅ 「ちゃんとした葬儀にしなければ」というプレッシャーの中で、誰かに相談したくて困っている方
③ 目次
- 一般葬の準備は、いつ・誰が・何をするのかを整理する
- 一般葬の準備で最初の24時間にすることの優先順位
- 連絡を出す範囲と訃報のお知らせ方を決めておく
- 葬儀社と決める項目と、家族で決める項目の違い
- 一般葬の当日、多くの参列者を迎えるための配慮と段取り
- 受付の人数・役割分担はどのように決めればいいのか
- 駐車場・案内・誘導について、当日前に確認すること
- 弔電・供花・供物の受け取りと、当日の並べ方の整理
- 一般葬にかかる費用の目安と、喪主として知っておきたい心得
- 一般葬の費用はどこに、どれくらいかかるのだろうか
- 家族葬との費用の違いと、どちらを選ぶか迷う理由
- 喪主の挨拶は、完璧でなくていいのだと伝えたいこと
- 最後に…なぜ、このようなことをするのか?
- よくあるご質問(Q&A)
- 執筆者紹介
④ 記事本文
① 一般葬の準備は、いつ・誰が・何をするのかを整理する
「まず何をすればいいですか」という言葉を、私は何度も聞いてきました。
訃報を受けてから葬儀までの時間は、驚くほど短く、そして驚くほど多くのことが押し寄せてきます。特に一般葬のように多くの参列者が見込まれる場合、「段取りが多すぎて頭が真っ白になる」という状態になることも珍しくありません。
でも、実際に最初の数時間でしなければならないことは、そう多くはありません。「今日決めること」と「明日以降に決めること」を静かに分けることから始めると、少しだけ呼吸が楽になります。
①-1|一般葬の準備で最初の24時間にすることの優先順位
亡くなってから最初の24時間で、必ず行うべきことがあります。
最初の24時間でする主なこと:
まず最優先は「ご遺体の搬送と安置場所の確保」です。病院や施設で亡くなった場合、長時間そのままにはできないため、葬儀社へ連絡して搬送の手配をします。この段階で葬儀の全体像を決める必要はありません。「まず搬送をお願いしたい」という一点から始めて大丈夫です。
次に「ごく身近な方への第一報」です。配偶者・子ども・きょうだいなど、最も近しい方への連絡は早めに行います。この時点では、葬儀の日程や形式がまだ決まっていなくても構いません。「亡くなりました、詳細は追ってご連絡します」で十分です。
日程の決定については、葬儀社・火葬場の空き状況・親族の都合を確認しながら、搬送後の打ち合わせで決めていくことが多いです。最初の24時間で完全に決める必要はなく、方向性を確認する段階と考えておくと焦りが減ります。
豆知識: 「友引」の日は火葬場が半日稼働や休業での利用制限していることが多く、葬儀の日程に影響することがあります。日程の調整の際に葬儀社から案内がありますが、頭の片隅に置いておくと慌てずに済みます。
畑尾一心より:
熊本市内で地域の役職を長く務めた方を見送ることになったご家族が、ご相談にいらした時のことです。「どれだけの方が来るか分からなくて、どこから手をつければいいかも分からなくて」と、開口一番におっしゃいました。
私が最初にお伝えしたのは、「今日は三つだけ決めましょう」ということでした。搬送先・第一報を出す相手・明日の打ち合わせの時間、この三つだけ。それ以外はすべて翌日以降に持ち越してもいい。そう伝えた瞬間、少し表情が和らいだのを覚えています。
最初の24時間は、「全部決めようとしない」ことが、一番大切かもしれません。
この項の振り返り:
- 最初の24時間の最優先は「搬送と安置場所の確保」
- 身近な方への第一報は、日程が決まっていなくても出せる
- 日程は葬儀社・火葬場・親族の確認をしながら翌日以降に決めても遅くない
- 「今日決めること」を三つに絞るだけで、気持ちが落ち着く
①-2|連絡を出す範囲と訃報のお知らせ方を決めておく
一般葬で100名を超える参列者を迎えるには、「誰に・どんな方法で・いつまでに」連絡するかを整理しておくことが重要です。
連絡する範囲の考え方:
一般葬では、家族・親族のほかに、故人の職場関係者・近隣の方・地域の組織(自治会・PTAなど)・友人・知人などへの連絡が必要になることが多いです。
連絡する範囲は、「故人が生前に年賀状(電話)を出していた相手」を一つの基準にする方もいます。また、「葬儀に来てほしい方」と「お知らせだけする方」を分けて考えると、連絡の仕方も変わってきます。
連絡の方法:
電話・メール・FAX・葬儀の案内状(会葬礼状)など、状況に応じて組み合わせることが多いです。会社関係など多人数への連絡は、担当者一名に連絡して社内への展開をお願いする方法が一般的です。
「訃報を知らせる文章」は、葬儀社がテンプレートを用意していることも多いので、一から考えなくても大丈夫です。
豆知識: 近年はSNSやLINEでの訃報連絡も増えていますが、年配の方や改まった関係の方への連絡は、電話や書面の方が丁寧に受け取られることが多いです。相手との関係性に応じて使い分けると安心です。
畑尾一心より:
「どこまで連絡すればよかったか分からなくて、葬儀が終わった後に知らなかったと言われて、申し訳なかった」というお話を、葬儀の後にいただくことが時々あります。
一般葬の場合、あとで「知らなかった」と言われることを怖れて、連絡を広げすぎてしまうご家族もいます。でも逆に、「なぜ来たのかわからないような関係の人まで来てしまった」と困惑されるケースもあります。
「誰に来てほしくて、誰にはお知らせだけにしたいか」。その線引きを、ご家族の中で事前に話し合っておくことが、後悔を減らす一番の方法だと思っています。
この項の振り返り:
- 連絡範囲は「故人の年賀状・電話リスト」などを手がかりに絞り込む
- 「来てほしい方」と「お知らせだけの方」を分けて考える
- 会社関係は担当者一名への連絡で社内展開を依頼する方法が一般的
- 「誰に来てほしいか」をご家族で事前に話し合っておくと後悔が減る
①-3|葬儀社と決める項目と、家族で決める項目の違い
一般葬の準備には、葬儀社と一緒に決めることと、ご家族だけで話し合っておくことがあります。両者を混在させると、打ち合わせに時間がかかったり、決定が遅れたりすることがあるので、あらかじめ分けておくと話が進みやすいです。
葬儀社と決める主な項目:
- 葬儀の日程・場所・プランの選択
- 祭壇の規模・デザイン・花の種類
- 棺・骨壷などの選択
- 会場のレイアウト・式次第
- 僧侶・神職などへの依頼(宗旨・宗派の確認)
- 料理・返礼品の手配
ご家族で話し合っておく主な項目:
- 喪主は誰が務めるか
- 受付・案内係を誰にお願いするか
- 親族席・焼香の順番の確認
- 喪主挨拶の内容
- 費用の分担方法
「葬儀社が全部やってくれる」と思って打ち合わせに臨むと、意外と「ご家族で決めていただく必要があります」という項目が多くて戸惑うことがあります。逆に、「全部自分たちで考えなければ」と思い込む必要もありません。葬儀社はパートナーです。迷ったら、一緒に考えることができます。
畑尾一心より:
「喪主を誰にするか、兄弟間で少し揉めまして…」というご相談を受けることが、実は少なくありません。特に一般葬のように規模が大きくなると、「喪主としての責任と負担」が重く感じられ、引き受けることへの戸惑いが生まれることもあります。
喪主は「葬儀全体を仕切る人」ではなく、「葬儀の中心にいる人」という理解の方が、気持ちが楽になることもあります。運営は葬儀社と受付担当者が担います。喪主はただ、故人の傍に寄り添っていていい。そう伝えると、少し肩の力が抜ける方が多いです。
この項の振り返り:
- 日程・祭壇・料理などは葬儀社と一緒に決める
- 喪主の人選・受付担当・焼香順などはご家族で話し合っておく
- 葬儀社は「全部やってくれる業者」ではなく「一緒に考えるパートナー」
- 喪主は運営者ではなく、故人の傍に寄り添う存在でいい
② 一般葬の当日、多くの参列者を迎えるための配慮と段取り
100名を超える方が集まる葬儀では、「式の内容」よりも「会場の運営」にトラブルが起きやすいです。
受付に長い列ができてしまった。駐車場が満車で路上駐車が出てしまった。案内が不十分で参列者が迷ってしまった——そういった声を、後日うかがうことがあります。
当日の式が厳粛に、温かく進むために。その「外側の部分」の準備が、実は一番大切かもしれません。
②-1|受付の人数・役割分担はどのように決めればいいのか
一般葬で最も重要な当日の配置は、「受付」です。
受付は、参列者の方が最初に接触する場所です。ここでの印象が、葬儀全体の印象に大きく影響します。待たせすぎず、でも丁寧に。そのバランスが求められます。
受付の人数の目安:
参列者100名に対して、受付担当は最低3〜4名が望ましいとされています。通夜と告別式で別々に設置する場合は、それぞれに人数を確保する必要があります。
受付担当の役割は、大きく次のように分けられます。
| 役割 | 人数の目安 | 内容 |
| 記帳・芳名録の案内 | 1〜2名 | 参列者にご記帳をお願いする |
| 香典の受け取り | 1〜2名 | 香典を受け取り、別に保管する |
| 案内・誘導 | 1〜2名 | 会場内・座席・お手洗いの案内 |
受付担当には、故人と面識が少ない方(喪主の友人・職場の後輩など)にお願いすることが多いです。ご遺族・親族は、参列者への対応よりも式への参加を優先できる状態にしておく方が、後で後悔が少なくなります。
豆知識: 香典の受け取りには「香典袋のまま受け取る」「香典帳に金額を記載する」など、葬儀社の運営方法に合わせて行います。後日の香典返しのために、正確な記録が必要です。受付担当に「記録方法」を事前に伝えておきましょう。
※熊本市では「香典袋のまま受け取る」が一般的です。
畑尾一心より:
熊本市でのある葬儀で、受付担当を2名にされたご家族がいました。参列者は想定より多く、80名近くが短時間に集中したため、長い列ができてしまいました。
「もう一人いれば…」とおっしゃった言葉が忘れられません。受付の負担は、実際にやってみるまで実感しにくいんです。私は今、100名規模の葬儀では「想定より一人多く」受付に立てることをお勧めしています。「多すぎた」という後悔より、「足りなかった」という後悔の方が、ずっと残るからです。
この項の振り返り:
- 参列者100名に対して受付担当は最低3〜4名が目安
- 役割は「記帳」「香典受け取り」「案内誘導」に分けると整理しやすい
- 受付担当はご遺族・親族以外の方にお願いするのが一般的
- 「想定より一人多く」配置しておくと当日の余裕が生まれる
②-2|駐車場・案内・誘導について、当日前に確認すること
100名を超える一般葬では、参列者の多くが車で来場することが想定されます。駐車場の確保と案内は、当日の混乱を防ぐために事前に確認しておきたい重要な項目です。
駐車場について確認すること:
まず「斎場・葬儀会館の駐車スペースが何台分あるか」を葬儀社に確認します。参列者の人数と会場の駐車台数が合わない場合、近隣の有料駐車場の案内や、シャトル送迎の手配が必要になることもあります。
また、「参列者の中に車椅子の方や高齢の方がいるか」を事前に把握しておくと、入口付近のスペース確保や誘導の配慮につながります。
案内・誘導について:
会場の入口から受付・式場・お手洗いまでの動線を、事前にスタッフ(葬儀社・受付担当)で確認しておきます。慣れない場所での大人数の誘導は、事前の「現地確認」があるかないかで大きく変わります。
案内看板の設置や、誘導担当の配置については、葬儀社と相談することで対応してもらえることがほとんどです。「参列者が多いので、入口の誘導を手厚くしてほしい」とひと言伝えておくだけで変わります。
豆知識: 雨天の場合、傘の置き場所・濡れた傘の扱い・足元の滑り止めなども必要になります。当日の天気予報を前日に確認し、必要な準備を葬儀社と話し合っておくと安心です。
畑尾一心より:
菊陽町の葬儀会館でのご相談で、「駐車場が思ったより少なくて、近くのコンビニに止めてしまった参列者がいた」というお話を後日いただいたことがあります。
コンビニ側に迷惑をかけてしまったことを、ご遺族の方がとても気にされていました。式の内容とは全く関係のないことで後悔が残る——それは、事前の確認があればほぼ防げることでもあります。「どこに止められるか」の案内を、招待状や案内状に一行添えるだけで変わることもあります。
この項の振り返り:
- 葬儀会場の駐車台数を事前に確認し、不足の場合は近隣駐車場を案内する
- 高齢の参列者・車椅子の方への配慮を事前に把握しておく
- 誘導担当の配置や案内看板は葬儀社に相談できる
- 招待状・案内状に駐車場の案内を添えておくと参列者も安心
②-3|弔電・供花・供物の受け取りと、当日の並べ方の整理
一般葬では、多くの弔電・供花・供物が届くことがあります。当日慌てないために、受け取りと配置の段取りを事前に整えておきましょう。
弔電の受け取りと紹介:
弔電は葬儀社を通じて届くことが多く、告別式の中で「弔電の紹介」として代読されます。件数が多い場合は、すべてを読み上げることが難しいため、代表的なものをいくつか選んで読み上げ、残りは「〇〇様ほか多数よりいただきました」とまとめることが一般的です。どの弔電を読み上げるかは、葬儀社と相談して決めます。
供花・供物の並べ方:
供花・供物は、祭壇の周囲に並べて飾られることが多いです。並べる順番については、「贈り主との関係性(ご遺族が近い順、または故人との関係性)」を基準にすることが多く、葬儀社が案内してくれます。
「どこの誰から」という情報が分かるよう、名札や立て札を忘れずに確認しておきましょう。後日のお礼状の際に必要になります。
豆知識: 供物には「お菓子の詰め合わせ」「缶詰セット」など食べ物が多いですが、宗旨・宗派によっては「肉・魚は避ける」という場合があります。葬儀社に宗旨を伝えておくと、案内の際に参列者へ適切なアドバイスができます。
畑尾一心より:
「弔電が30通以上届いて、どれを読み上げるか決めるのが大変でした」とおっしゃったご家族がいました。多くいただくことはありがたいことなのですが、確かに選ぶのは難しい。
私がそういったとき提案するのは、「故人と最も深く関わった方からのもの」を優先する、という基準です。会社の社長・恩師・長年の友人——その順に選ぶと、式の流れとして自然に収まることが多いです。迷ったら、一緒に考えます。
この項の振り返り:
- 弔電の件数が多い場合は代表的なものを選んで読み上げ、残りはまとめて紹介
- 供花・供物の並び順は葬儀社が案内してくれる
- 名札・立て札の確認は後日のお礼状のために必要
- 宗旨・宗派によって供物の内容に配慮が必要な場合がある
③ 一般葬にかかる費用の目安と、喪主として知っておきたい心得
一般葬の費用と、喪主としての心構え——この二つは、最初の打ち合わせでよく聞かれることです。
費用については「どのくらいかかるか分からなくて怖い」という不安が多く、挨拶については「何を言えばいいか分からない」という戸惑いが多い。どちらも、「正解」を求めているというより、「これで大丈夫」という安心が欲しいのだと思います。
③-1|一般葬の費用はどこに、どれくらいかかるのだろうか
一般葬の費用は、大きく「葬儀社への費用」「寺院・神社などへのお布施」「飲食・返礼品の費用」の三つに分けて考えると整理しやすいです。
葬儀社への費用(目安):
100名規模の一般葬の場合、葬儀社への費用(祭壇・棺・搬送・スタッフ人件費など)の総額は、地域・プランによって大きく異なります。熊本市・合志市・菊陽町周辺では、一般的な一般葬のプランで100〜200万円前後になることが多いですが、これはあくまで目安です。祭壇の規模や棺のグレードによって変わります。
寺院・神社などへのお布施:
仏式の場合、僧侶へのお布施は戒名のランク・読経回数などによって変わります。「いくらお渡しすればよいか」は、菩提寺(代々のお寺)に確認するのが最も確実です。菩提寺がない場合は、葬儀社に相談すると紹介・案内してもらえます。
飲食・返礼品の費用:
通夜振る舞い・精進落とし(告別式後の食事)・会葬礼状・香典返しなどの費用は、参列者の人数に比例して膨らみます。100名規模では、飲食・返礼品だけで数十万円になることも珍しくありません。
豆知識: 香典返しは「即日返し(当日に返礼品を渡す)」と「後日返し(四十九日後に贈る)」の二種類があります。規模が大きい一般葬では、当日の配布が大変なため、後日返しを選ぶご家族もいます。
畑尾一心より:
費用の話をするとき、私が必ずお伝えすることがあります。「見積もりは、最初に出た金額で終わらないことが多い」ということです。
追加で供花を増やしたい、料理のグレードを少し上げたい——そういった判断が、打ち合わせの中で積み重なることがあります。「予算の上限」をあらかじめ葬儀社に伝えておくことで、その枠の中での提案をしてもらいやすくなります。費用の話は、「言い出しにくい」ことではありません。正直に伝えることが、一番いい葬儀につながります。
この項の振り返り:
- 費用は「葬儀社費用」「お布施」「飲食・返礼品」の三つで考える
- 熊本市近郊の100名規模一般葬は、葬儀社費用の目安として100〜200万円前後が参考値(葬儀社やプランによる)
- 参列者が多いほど飲食・返礼品の費用は増える
- 予算の上限を葬儀社に事前に伝えておくと提案が絞りやすくなる
③-2|家族葬との費用の違いと、どちらを選ぶか迷う理由
「一般葬と家族葬、費用はどのくらい違いますか」というご質問は、よく受けます。
結論から言うと、一般葬の方が費用が高くなることが多いです。ただし、その差は「参列者の人数に比例する部分」に集中しています。
費用の差が出やすい項目:
- 飲食費(通夜振る舞い・精進落とし):参列者数に比例
- 返礼品(香典返し・会葬礼状):参列者数に比例
- 祭壇の規模:一般葬の方が大型になることが多い
- 会場の広さ・使用時間:収容人数によって変わる
費用の差が出にくい項目:
- 棺・搬送・安置の費用
- お布施(宗旨・戒名のランクによる)
- 火葬場の使用料
「費用を抑えたいが、多くの方に来ていただきたい」という場合、家族葬のプランを選びながら「一般の方の参列もお断りしない」という形をとることもあります。ただし、参列者が増えると当初の想定外の費用が発生することがあるため、葬儀社との事前の確認が大切です。
畑尾一心より:
「家族葬にしようと思っていたけれど、父の顔が広くて…」と迷っているご家族に出会うことがあります。「一般葬にしないと、来られなかった方に申し訳ない」という気持ちと、「費用が心配」という気持ちが、同時にあるんですよね。
そういうとき私がお伝えするのは、「故人が一番大切にしていたのは誰ですか」という問いです。その方々が参列できる形が、そのご家族にとっての正解だと思っています。費用はその後で、一緒に考えましょう。
この項の振り返り:
- 一般葬の方が家族葬より費用が高くなることが多い
- 差が出るのは主に「飲食費・返礼品・祭壇規模・会場」の部分
- 棺・搬送・火葬などの費用は形式によって大きく変わらない
- 「誰に来てほしいか」を軸に考えると、形式選びの迷いが整理されやすい
③-3|喪主の挨拶は、完璧でなくていいのだと伝えたいこと
「喪主の挨拶、何を話せばいいか分からなくて」というご相談は、段取りの中で最も多いものの一つです。
特に一般葬のように参列者が多い場合、「大勢の前で話す」ことへの緊張や恐怖が大きくなることがあります。でも、私がこれまで多くの葬儀に関わってきた中で感じていること——喪主の挨拶で一番大切なのは、「完璧に話すこと」ではありません。
喪主挨拶に含まれることが多い内容:
- 参列者への感謝の言葉
- 故人の生前のお礼(「生前はお世話になりました」)
- 故人への思い・印象に残る一面
- 遺族を代表した締めの言葉
長さは2〜3分程度が目安とされています。でも、1分でも心がこもっていれば十分です。
原稿を読んでもよいのか:
はい、読んで大丈夫です。原稿を持ちながら話すことを恥ずかしいと感じる方もいますが、大切な場だからこそ準備をした、ということです。葬儀社がサポートしてくれることも多いので、ひと言相談してみてください。
豆知識: 喪主挨拶の「忌み言葉」(重ね重ね・たびたびなど、繰り返しを想起させる言葉)は避けた方がよいとされています。ただし、最近は厳密に守らないケースも増えています。迷ったら葬儀社に確認するとよいでしょう。
畑尾一心より:
菊陽町のあるご遺族の話です。喪主を務められた息子さんが、挨拶の練習を三度繰り返してから式に臨みました。本番では、途中で声が詰まり、言葉が出なくなりました。
でも、後日ご参列された方から「あの挨拶が一番心に残った」という言葉が届いたとのことでした。言葉が詰まったその瞬間に、この方がどれだけ父親を大切に思っていたかが伝わったと。
完璧な言葉より、本当の気持ちの方が、人の心に届くことがあります。それを、私はたくさんの場面で見てきました。
この項の振り返り:
- 喪主挨拶の基本は「感謝」「お礼」「故人への思い」「締めの言葉」
- 長さは2〜3分が目安だが、短くても心がこもっていれば十分
- 原稿を読みながら話してもまったく問題ない
- 完璧に話すことより、本当の気持ちを伝えることの方が心に届く
⑤ 最後に…なぜ、このようなことをするのか?
一般葬は、多くの方が故人のもとに集まる場です。それは、故人がいかに多くの人と関わり、誰かの記憶の中に生き続けていたかを、静かに示してくれる場でもあります。
この記事では、段取り・費用・挨拶といった「準備の話」をしてきましたが、本当は、その全てが「見送り方の話」だと思っています。何をどう準備するかではなく、「誰のために、どんな時間を作りたいか」という問いに、少しずつ答えていく作業です。
自分の話を少しだけさせてください。
私が葬儀の仕事を始めたばかりの頃、ある一般葬でお手伝いをしました。参列者が150名を超える、規模の大きな葬儀でした。受付・誘導・弔電の整理——慌ただしい時間の中で、式が終わった後、喪主の方が静かにおっしゃいました。「こんなに来てくれると思っていなかった。父が愛されていたんだな、と初めて気づいた」と。
その言葉を聞いて、私はこの仕事を続けようと思いました。一般葬は「大変な葬儀」ではなく、「故人の人生の広がりを見る葬儀」なのかもしれない、と。
準備が大変な時期に、この記事が少しでもそばにあれたなら、それで十分です。もし具体的に相談したいことがあれば、ハタオ葬儀社にお声がけください。話を聞くだけでも、構いません。
⑥ よくあるご質問(Q&A)
Q1. 一般葬と家族葬、どちらを選ぶべきか迷っています。決め手はありますか?
A1. 「こちらにしなければいけない」という決め手は、実はないかもしれません。「故人が生前どんなつながりを大切にしていたか」「ご遺族が無理なく見送れる形か」この二点を考えるところから、多くの方が自分なりの答えを見つけていかれます。迷ったまま葬儀社に相談してみることも、一つの方法です。
Q2. 参列者が何人来るか、事前に把握できますか?
A2. 正確に把握することは難しい場合がほとんどです。訃報を広く出した場合は特に、当日どのくらいの方が来られるか分かりにくいことがあります。「想定より少し多めに」用意しておくことを、多くの葬儀社がお勧めしています。食事・返礼品・座席数などに、少し余裕を持たせておくと安心です。
Q3. 受付担当をお願いできる適切な人が思い浮かびません。どうすればいいですか?
A3. 受付担当が見つからない場合、葬儀社にスタッフの手配をお願いできることがあります。「身内だけで受付をやらなければいけない」ということはありませんので、まず葬儀社に相談してみてください。また、故人の職場や地域の知人に声をかけると、喜んで引き受けてくださる方が見つかることも多いです。
Q4. 喪主の挨拶がどうしても不安です。原稿を読んでもいいですか?
A4. 読んで大丈夫です。多くの喪主の方が原稿を持って挨拶をされています。「原稿を読むのは失礼」という考え方もありますが、それより「ちゃんと伝えたいことを届けようとしている誠実さ」の方が、参列者には伝わることが多いです。葬儀社に相談すると、挨拶文のサポートをしてもらえることもあります。
Q5. 通夜と告別式、両方行う必要がありますか?一般葬でも一日葬にできますか?
A5. 一般葬の形で、通夜なし(一日葬)を選ぶことは可能です。参列者が多い場合でも、「告別式のみ・一日で完結させる」形を取ることができます。ただし、参列者の中には通夜にも参列したいという方がいる可能性もありますので、そのあたりのご意向をご家族で話し合ったうえで決めることをお勧めします。
Q6. 香典返しは当日と後日、どちらがよいですか?
A6. どちらにもよい点があります。当日返しは、参列者への手間が少なく、後日の手配が不要な点が便利です。後日返しは、いただいた香典の金額に応じてお返しを調整できる点が丁寧です。一般葬のように規模が大きい場合は、当日の配布が大変なため後日返しを選ぶご家族もいます。葬儀社と相談しながら、状況に合った方法を選んでいただけます。
⑦ 執筆者紹介
畑尾 一心(はたお 一心) ハタオ葬儀社 代表
熊本市・合志市・菊陽町を中心に、葬儀の仕事に携わってきました。「大切な方を見送るとき、ご家族が一人で抱え込まないように」という思いを、仕事の出発点にしています。
一般葬・家族葬・一日葬・直葬など、様々な形の葬儀に関わってきた中で感じてきたのは、「正解の形はない」ということです。あるのは、それぞれのご家族にとっての「これでよかった」という納得感だけだと思っています。
段取りや費用の話だけでなく、「どうすればいいか分からない」という言葉も、どうぞ遠慮なく持ってきてください。話を聞くことから始めることが、私たちの仕事だと思っています。
⑧ 関連記事のご案内
もう少し知りたいときの道しるべとして、こちらの記事もご参考になるかもしれません。
「一般葬の喪主をどうすればいいか分からない」という方に。挨拶の文例だけでなく、喪主という役割の心構えを、温かく丁寧にお伝えしています。
受付の人数や役割分担に迷っている方へ。家族葬の規模でも一般葬でも役立つ、受付・世話役の段取りの考え方をまとめています。
「誰に・いつ・どのように連絡するか」を整理したい方に。一般葬では特に重要な訃報連絡の考え方を、静かに解説しています。
供花や弔電の受け取りに迷っている方に。当日のトラブルを未然に防ぐための準備の考え方を、専門家の視点からお伝えしています。
ハタオ葬儀社の一般葬プランの内容・費用感を確認したい方へ。どんな形で見送れるのか、プランの詳細をご覧いただけます。
本記事は、ハタオ葬儀社・畑尾一心が、熊本市・合志市・菊陽町での葬儀経験をもとに執筆しました。費用・流れ・内容はプランや状況によって異なります。具体的なご相談は、お気軽にハタオ葬儀社までお問い合わせください。
執筆者
畑尾 一心
ハタオ葬儀社 三代目
熊本市(中央区・南区・東区・北区・西区・熊本駅周辺)を中心に、合志市・菊陽町など熊本都市圏で、葬儀・家族葬の事前相談と実務に携わっています。
はじめて喪主を務める方が「これでよかった」と思えるように。
地域の宗派や慣習をふまえながら、やさしい言葉でわかりやすくお伝えすること、そして実務を正確に整えることを大切にしています。
経歴
1972年生まれ。昭和30年創業の葬儀店に生まれ育つ。
葬祭業に30年以上従事。年間約400件を超えるご葬儀・ご相談に関わる。
厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター。
NPO法人全国葬送支援協議会 熊本中央本部代表。
一般社団法人 終活協議会 終活セミナー講師。
終活カウンセラー協会 終活カウンセラー。
専門性を磨き続けながらも、何より大切にしているのは「人と人との関わり」です。
想い
創業者である祖父の志を受け継ぎ、日本の葬送文化が持つ意味を、現代のご家族にわかりやすく届けたいと考えています。
正解を押しつけるのではなく、ご家族それぞれの「納得」を積み重ねること。
心から「ありがとう」と伝えられるお見送りを支えることが、私の仕事です。
趣味
散歩が好きです。
見慣れた道も、知らない街も歩きながら、人の営みや地域の空気に触れる時間を大切にしています。
監修者
畑尾 義興
ハタオ葬儀社 会長
経歴
昭和30年、先代・畑尾義人により熊本で創業されたハタオ葬儀社を継承。
約40年にわたり経営を担い、地域とともに歩んできました。
「誰もが誇りに思えるお葬式を」という創業の志を守り続け、葬儀一筋で地域への感謝を形にしてきました。
自身の家族を見送った経験から、ご家族の心と費用の負担を軽くすることの大切さを深く実感しています。
理念
地域に根ざし、温かく、心の通う葬儀を届けること。
ご遺族の想いを最優先に、感謝を込めたお見送りを支えることが使命です。
趣味
釣りと囲碁。
熊本の自然や仲間との時間を、今も大切にしています。
私たちについて
ハタオ葬儀社は、昭和30年創業から70年。
熊本の地で、世代を越えてお見送りに携わってきました。
このページの内容は、現場に立ち続けてきた経験と、地域への想いをもとにお届けしています。
不安の中にある方が、少しでも安心できるように。
迷いの中にある方が、自分らしい選択を見つけられるように。
大切な方への想いは、きっとかたちにできます。
・ご家族の声を知りたい方へ
・葬儀の疑問を一つずつ解消したい方へ
・まずは静かに相談してみたい方へ
それぞれの歩幅に合わせて、そっと寄り添います。
【大切な方への想い、どう伝えられたか。お客様の「声」をご覧ください】
【葬儀の「分からない」をもっと解消しませんか?】
【ハタオ葬儀社へのお問い合わせ】
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公営斎場もご利用になれます
【公営斎場】熊本市斎場
住 所
〒861-8031 熊本県熊本市東区戸島町796
アクセス
熊本市役所から車で、約35分
【公営斎場】菊池火葬場
住 所
〒861-1315 熊本県菊池市木柑子1318
アクセス
阿蘇高原線 三里木駅からタクシー24分
【公営斎場】大津火葬場
住 所
〒869-1233 熊本県菊池郡大津町大字大津110
アクセス
豊肥本線「肥後大津駅」からタクシーで5分

